不作為の違法確認の訴えの判決と不作為についての審査請求の裁決
不作為に対する審査請求の裁決について、ご質問をいただいていたので回答します。
行政不服審査法49条2項において、「不作為についての審査請求に理由がある場合…次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる」と定められています。
講義では、「当該処分」を行うべきである旨を強調してお話ししましたが、「申請を認容する処分」のみを前提にしていないので注意してください。すなわち、上記「一定の処分」には、「申請を認容する処分のみならず、申請を拒否する処分も含まれる」と考えられています(宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』211頁(有斐閣))。
あくまでも、一回的解決という趣旨ですので、放置が違法であるが、申請を拒否すべきということであれば、申請拒否処分が行われることになります。
ところで、私の授業で配布したレジュメ(49頁)ですが、「違いに注意しておく」という趣旨が分かりにくかったと思いますが、お伝えしたい趣旨としては、以下のとおりです。
すなわち、不作為の違法確認の訴えの判決では、「何らかの処分」をすべき拘束力が生じるだけですので、一定の処分を義務付けるには、別途「義務付けの訴え」を提起することが必要になります。これに対して、不作為に対する審査請求においては、審査庁から不作為庁に対して「一定の処分」をすべきことを命じる、または、不作為庁は「一定の処分」を行うべきことになります。
以上をまとめると、「不作為の違法確認の訴え」だけでは、「一定の処分」を義務付けてもらうことはできないため、自己の求める処分を義務付けてもらうべく「義務付けの訴え」を提起する必要があります。
これに対して、審査請求の場面においては、そもそも裁決において義務付けることが想定されているため、「一定の処分の義務付けを求める」という審査請求を行うことはありません。これらをひっくるめて「不作為に対する審査請求」とされています。
以上、少しややこしいところですが、分からなければ、また質問してください。
ところで、行政不服審査法については、辞書的に下記書籍を持っていても便利だと思います。
大抵のことは載っていますので、独学の方は必須です。
行政不服審査法49条2項において、「不作為についての審査請求に理由がある場合…次の各号に掲げる審査庁は、当該申請に対して一定の処分をすべきものと認めるときは、当該各号に定める措置をとる」と定められています。
講義では、「当該処分」を行うべきである旨を強調してお話ししましたが、「申請を認容する処分」のみを前提にしていないので注意してください。すなわち、上記「一定の処分」には、「申請を認容する処分のみならず、申請を拒否する処分も含まれる」と考えられています(宇賀克也『行政不服審査法の逐条解説』211頁(有斐閣))。
あくまでも、一回的解決という趣旨ですので、放置が違法であるが、申請を拒否すべきということであれば、申請拒否処分が行われることになります。
ところで、私の授業で配布したレジュメ(49頁)ですが、「違いに注意しておく」という趣旨が分かりにくかったと思いますが、お伝えしたい趣旨としては、以下のとおりです。
すなわち、不作為の違法確認の訴えの判決では、「何らかの処分」をすべき拘束力が生じるだけですので、一定の処分を義務付けるには、別途「義務付けの訴え」を提起することが必要になります。これに対して、不作為に対する審査請求においては、審査庁から不作為庁に対して「一定の処分」をすべきことを命じる、または、不作為庁は「一定の処分」を行うべきことになります。
以上をまとめると、「不作為の違法確認の訴え」だけでは、「一定の処分」を義務付けてもらうことはできないため、自己の求める処分を義務付けてもらうべく「義務付けの訴え」を提起する必要があります。
これに対して、審査請求の場面においては、そもそも裁決において義務付けることが想定されているため、「一定の処分の義務付けを求める」という審査請求を行うことはありません。これらをひっくるめて「不作為に対する審査請求」とされています。
以上、少しややこしいところですが、分からなければ、また質問してください。
ところで、行政不服審査法については、辞書的に下記書籍を持っていても便利だと思います。
大抵のことは載っていますので、独学の方は必須です。
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