【全受験生向き】時事ネタを使って勉強する2

昨日に続いて,いわゆる都構想をネタにした勉強です。

現在の大阪は「指定都市」であるということは昨日確認しました。

指定都市は,通常は都道府県が有している権限を行使できると定められています。つまり,事務分配について特例が定められています。

例えば,区域区分に関する都市計画決定 ,児童相談所の設置,県費負担の教職員の任免などです。

もう少し敷衍すると,都道府県を経由して国に要望していたことも,「指定都市」の権限であるとして,国と直接「市」が折衝することができます。

また,一般の市町村の権限である公立小中学校の管理運営と教育の人事を一括して行うことが可能であり,教育行政を一体的に運営することができます。

さらに,国管理の国道を除き,市道,都道府県道,一般国道の全てを指定都市が管理することができます。

このように強力な権限が与えられており,指定都市は,力のある自治体として活躍することが求められています。

実際,かつての磯村隆文元大阪市長は,「スーパー指定都市」としてより強力な権限を備えることで,一体的な行政を実現しようとしましたが,この構想は,「大阪新都」構想を主張する太田房江元大阪府知事と折り合いがつかず,頓挫しました。

ところで,指定都市の権限を大きくしようとする動きは,かつての大阪だけにあったわけではありません。2010年5月,指定都市市長会は,指定都市に代わる新たな大都市制度として特別自治市(仮称)の制度を提案しています。この特別自治市は,都道府県と同等の権限を持ち,警察権限も都道府県から以上を受け,広範な権限の行使に必要な財源確保のため,地方税を一元的に賦課徴収する制度を構築する構想です(宇賀克也『地方自治法概説【第5版】有斐閣46頁参照)。

以上の考察を見ても,現在の大阪の都構想制度は,指定都市の権限を無くすという制度ですが,全国の流れから異なる流れを取っています。

受験対策としては,まず,指定都市の権限を押さえながら,中核市,通常の市町村の違いを確認しておくと良いと思います。社会科学において地方自治に関する出題が多い「大阪府下市役所」を受験する方は要注意です。

次回は,世界の流れを中心に,「基礎自治体が目指している方向」を勉強していくことにします。

なお,参考までに横浜市の構想についてリンクを貼っておきます(横浜特別自治市大綱)。

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